DOMINISTORE

2020/01/20 15:31


2019年8月、“ドーミーイン SEOUL カンナム”にオープンした『DOMINISTA CLUB LOUNGE』。


ドーミーインの公式予約サイト(https://www.hotespa.net/dormyinn/)からご予約いただいた方にだけご利用いただけるラウンジです。

日韓のユニークな書店オーナー4名によるブックセレクト。それぞれの得意分野を前面に押し出した合計500冊を、心ゆくまでお楽しみいただける空間となっています。生ビール※、コーヒーやお茶、ソフトドリンク、そしておつまみとともに、オープン以来、多くのお客様に“ドーミーイン SEOUL カンナム”でのバカンスをお楽しみいただいています。

※生ビールのご提供は20時まで。


今回、「韓国のドーミーインで、日韓のお客様がお互いの文化を知る機会をご提供したい」ということからスタート。その第一弾となるカンナムでは日本のドーミーインと同じくビジネスの方が多く、ご当地朝食と同様、出張で訪れた忙しい方にも、そのご当地のことに触れていただきたい!という思いからです。

そんな思いに応えてくださった方々が、2ヶ月間にわたる書籍のセレクトをすませて、2019年の7月中旬に、カンナムに集まってくださいました。

(左から)綾女さん(朝日出版社)、松村さん(NUMABOOKS)、内沼さん(NUMABOOKS代表)、ジョンさん(私的な書店)、イさん(THANKS BOOKS)。もう1人の韓国セレクター、イロさん(YOUR MIND)は残念ながらこの日は不参加。


セッティングを終えた日韓それぞれのセレクターに、今回の企画に対する思いをお話しいただきました。(以下、敬称略)



皆さま、素晴らしいコーディネートをありがとうございます!


内沼 晋太郎(NUMABOOKS):最初にいただいたお話は、“ドーミーイン SEOUL カンナム”の地下スペースを、“選ばれたお客様に対してのプレミアムなブックラウンジにする”というものでした。そして僕たちが日本で選んだ本と、韓国のセレクターの方に選んでもらった本を一緒に並べるライブラリーにしましょうという企画がスタートしたんです。

日本や韓国国内からお越しになるお客様に対して、面白い視点で書籍をご提案いただける韓国の本屋さんを選ばせていただきました。

『本の未来を探す旅 ソウル』(朝日出版社)という本を作った時にご縁があった方々の中から3名、それがジョンさん、イさん、そしてイロさんです。

この本を出す時に、単に韓国の書店・出版事情を紹介するだけではなく、この本をきっかけに韓国の方々とつながって、本に関する新しいことができればいいなという期待感を持っていました。それがまさにこういった形で実現するのは、絶好の機会だと思いましたし、本当に嬉しく思っています。

選書の全体テーマとしては、韓国の方がお越しになった時には少しでも日本文化について触れていただきたいということと、日本の方に対しては、日本語と韓国語との両方の書籍を通じて韓国について知るきっかけになるということ。これがひとつの空間にあるということを第一に考えました。僕たちの期待以上に、韓国の3名がそれぞれ得意にしているカテゴリー、ジャンルでセレクトしてくださいました。


イ・ギソプ(THANKS BOOKS):500冊の本が集まっている場所は世の中にたくさんありますが、どういった方が選んだかによって、ずいぶんその意味合いは違ってきます。今回のプロジェクトは、韓国と日本の書店による共同作業という点で非常に意味があることだと感じています。

さまざまな人が集まるビジネスホテルであるドーミーインがこういう機会を作ってくださったことは、非常に素晴らしい試みであるとともに、嬉しく思っています。


ジョン・ジヘ(私的な書店):『本の未来を探す旅 ソウル』という本をきっかけに、ここまで日韓の書店が繋がれたことを、とても嬉しく思ってます。


お仕事は久しぶりにご一緒に?


内沼:IN/SECTS主催で日本で毎年5月に開催しているアジアブックマーケットに来ていただいたり、ソウル図書館でのトークイベントに僕たちを呼んでくださったりと、これまでも韓国の書店とはいろいろと仕事の接点はありました。

ただ、一般の方々に広く開かれた場所に「本を並べる」という具体的な仕事をご一緒するのは今回が初めてです。


:今回のブックラウンジをきっかけに、本を通じてもっと韓国と日本が文化的に繋がっていければと願っています。最近、国際情勢でいろいろとある中、こういう民間レベルの仕事のつながりって、もっと重要になっていくと思うんです。小さな活動でもそれを積み重ねて、本が好きということを通じてお互いの関係性の改善や進展に少しでも貢献できれば嬉しいです。




お互いがセレクトした本をご覧になっていかがですか?


内沼:作業前にリストでは見ていましたが、こうして実物を見るのは初めてです。


:最初に依頼を受けた時に、日韓の文化や旅について、という大きなカテゴリーはほぼ決まっていました。実際に選んでみると、テーマは同じでも、1冊1冊の選書の中にやっぱり個性が出てきて多様な本棚になっていくところが面白いですね。冊数以上の魅力が詰まった空間になったと思います。

ジョン:本を選ぶのは大変でした。私の現在の仕事は、一人ひとりのお客様に直接お会いして人生をお聞ききしながら、その人のための本を選ぶことです。だから今回のように、会ったことがない人に対して選ぶということが難しかった。それでも自分なりにこの場にいらっしゃる人を想像しながら、面白がってもらえる本をご紹介できたんじゃないかなと思っています。

ほかの方が選んだ本の中には、日本の本はもちろん、韓国の本でも私が初めて見るものあります。韓国人でも、日本人でも、ご宿泊のお客様は、相当興味を持ってご覧いただけるんじゃないでしょうか。

私たちが選んだ本を読んで、「韓国のことをもっと知りたい」「日本にもっと行きたい」と思っていただけたら嬉しいですね。



松村(NUMABOOKS):僕たちにとっても、韓国の本は初めて見るものも多いですし、デザインも素敵だと思います。思わず手に取りたくなる本ばかり。見入ってしまって、ディスプレイ作業がなかなか進まなかったです(笑)。

綾女(朝日出版社):本の中で取材するとかブックフェアに一緒に出るということを超えて、こういうリアルなフィールドで同じ目的のもと共同作業をするというのは初めてでした。出版業界に身を置く立場として、今回のように日韓の書店がひとつの場所作りをするということは本当に貴重だったと思います。韓国と日本だけではなく、そこに台湾や中国、香港といったそのほかの東アジアの国々をも織り交ぜて、こうした取り組みが続けられれば面白いんじゃないかと思います。新しい扉につながるという確かな感触を得た気がします。



内沼:韓国の本屋さんに行くと、韓国語はわからなくても、「本」そのものが持っている言語のようなものを通じて、そこに並ぶ本のことが少しづつわかってきます。

それは、しっかりしたコンセプトのもとに選ばれて並べられた、このラウンジの本も同じ。韓国のセレクターの方には、そういう言語の壁にも配慮して、ビジュアルが多めだったり、表紙のデザインが印象的なものを多く選んでもらっています。韓国語がわからなくても、韓国の書店に行ったことがなくても、なんとなく直感的に内容がわかるように。

韓国の本も本当に多様で面白い。その中から、美しいデザインや写真を糸口に内容を想像してみたりして、もっと韓国のことを、韓国の本や本屋のことを知りたくなるような場所になったんじゃないかと思います。

日本語に訳されている韓国の本と、その韓国語の原書が並置されている空間は日本にもそうそうないでしょうから、出版業界の方も見て驚かれるんじゃないでしょうか。しかもフリードリンクなんて……。

それぞれの書棚には、各セレクターのプロフィールを、日本語、韓国語、英語で紹介しています。「こういう本屋さんが韓国にあるんだ」と知ってもらい、足を運んでもらい、そこでまた新しい発見につながればとても嬉しいです。





2019年7月。ラウンジのセッティングを終えた日韓のセレクターの方々。






ご当地にもっと触れていただきたいと願うドーミーインは、まだまだ新しいことに挑戦していきます。

実は韓国には、もう一店舗のドーミーインがあります。


中国からのお客様も多い、



この最上階(17F)にあるスカイラウンジが、

2月、PREMIUMなブックラウンジに生まれ変わります。



ご期待ください!!




(おまけ)

韓国の本はこういう透明な袋(「シュリンク」と言います)にピタッ!と包まれていることが多く、はがすのが大変。でも、本はしっかり美しく守られているのです。


本屋さんの流儀①…帯も、この本を知る手がかりのひとつとして、しっかり保存。付けたままだと破損しやすいので、外して、折って、裏表紙の部分に挟んでテープで貼ったりするそう。


本屋さんの流儀②…「本は基本的に四角いもの。だから、図書館のように背を前に出して並べるか、表紙を見せるかくらいしかディスプレイの方法は基本的にはありません。でも、揃えるところはしっかり揃えて美しく。ここの棚は前から指一本分後ろにずらして、背表紙で揃えてみました」